Story

第壱話 使途、襲来

第3新東京市に降り立った少年・碇シンジを出迎えたものは、人類の存在をも脅かす驚異、使徒と国連軍との激しい戦闘であった。
シンジは葛城ミサトの手引きにより、特務機関ネルフの本部へと向かう。
そこで再会した父・ゲンドウは、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンへの搭乗、及び使徒の殲滅をシンジに促すのだった。

第弐話 見知らぬ、天井

EVA初号機に搭乗したシンジは、使徒との激闘の末、生還する。ミサトに引き取られる事になったシンジ。知らない町、知らない人々。そして、
ミサトのマンションで彼が見たものも、知らない天井でしかなかった。
シンジの脳裏をかすめる使徒との激戦の追憶。
その先に彼が見たものは ―― 。

第参話 鳴らない、電話

新しい中学校に転入したシンジは、友人を作れないでいた。
彼がEVAのパイロットであるという事が発覚し、ざわめき立つクラスメイト。EVAと使徒との戦闘で負傷した妹を持つトウジとの対立。シンジの気持ちは誰にも理解されないのか。そんな中、新たな使徒の襲来を告げる警報が、第3新東京市の空に鳴り響く。

第四話 雨、逃げ出した後

新たな環境に馴染めぬシンジは、現実から逃避するようにミサトの元から去ってしまう。第3新東京市を、あてどなく彷徨するシンジ。クラスメイトのケンスケとの出会いは一時の安らぎを与えたが、翌朝、ネルフの大人達により連れ戻される。彼を待っていたものは、厳しい現実と、他人としてのミサトの冷たい言葉だった。

第伍話 レイ、心のむこうに

綾波レイ。感情を表に出さず、他人と必要以上の接触をしようとしない少女。シンジは、自分よりも父に近い位置にいる彼女に興味を持ち、接近しようとする。だが、彼女はシンジに心を開こうとはしない。父を信頼できないと言う彼をレイは非難し、頬を叩く。EVA零号機の再起動実験が成功した時、第5の使徒が第3新東京市に迫っていた。

第六話 決戦、第3新東京市

第5の使徒の放った加粒子砲の直撃を受け、死線を彷徨うシンジ。一方、攻守共にほぼ完璧と云える能力を有する第5の使徒に対し、葛城ミサトは日本全国の電力を総動員し、極大エネルギーの陽電子砲によって、射程外からの超長距離射撃で撃滅する計画 ―「ヤシマ作戦」を立案、実行に移す。勝利確率8.7%の戦いが、今、始まる。

第七話 人の造りしもの

ネルフのEVAに対抗し、日本重化学工業共同体は巨大人型自走兵器J.A.(JET ALONE)を建造。ミサトとリツコが出席した完成披露会場でJ.A.は、突如暴走を始める。動力源である原子炉の、炉心融解の危機が迫る。リツコの制止も聞かず、ミサトは単独でJ.A.に乗り込み、自らの手でプログラム消去のパスワードを入力しようとするが……。

第八話 アスカ、来日

ミサトとシンジら4人は、EVA弐号機を搬送中の太平洋艦隊へ。
そこに、セカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーと、
ミサトの元恋人の加持リョウジとの出会いが待っていた。強気で自己主張の強いアスカは、シンジをライバル視する。第6の使徒が襲来。アスカはシンジと共に弐号機に乗り込み、出撃する事になるが ―― 。

第九話 瞬間、心、重ねて

弐号機が一刀両断した第7使徒は、2体に分離再生し、EVAを倒す。N2爆雷によって足止めに成功するも、再侵攻は時間の問題だった。2体の使徒を倒すのは、両方の核に同時に荷重攻撃を加えるしかない。ミサトはシンジ、アスカのコンビネーションを完璧にすべく、ユニゾンの訓練を開始する。

第拾話 マグマダイバー

羽化前の第8使徒が浅間山の火口内で発見された。ネルフは使徒を生きたまま捕獲・回収する作戦、A-17を発令。3体のEVAのうち、唯一極地戦用特殊装備に対応可能な弐号機を駆り、アスカは火口へ降下する。だが、無事捕獲が終了したかにみえた時、使徒が羽化を開始。灼熱のマグマの中で、アスカの孤独な戦いが始まった。

第拾壱話 静止した闇の中で

ある朝、第3新東京市は予期しない停電にみまわれ、都市機能は完全に停止した。ゲンドウと冬月は外部の人間による謀略と判断、マギとセントラルドグマの維持に奔走する。そこへ襲来する第9使徒。危機を察したシンジ達は、必死にネルフ本部へ向かう。そこで待っていたのは、ゲンドウが手動で待機させていたEVAだった。

第拾弐話 奇跡の価値は

大気圏外より自らを落下させて、ネルフ本部に直接攻撃を仕掛けようとする第10使徒。司令・副司令不在の本部で指揮を執ることになったミサトは、勝率0.00001%の作戦を提唱する。奇跡は起こしてこそ価値が出るもの、と言い切るミサト。だがリツコはそれを私的な復讐心だと指摘する。落下する第10使徒、果たして奇跡は起こるのか?

第拾参話 使徒、侵入

初めてネルフ内部に侵入した第11使徒は、細菌サイズの微少なもの
だった。猛烈な勢いで進化しながら施設を汚染していく使徒。やがて使徒はマギシステムをハッキング、ネルフ本部の自爆を提訴する。リツコは使徒に対し、逆ハッキングで自滅促進プログラムを送ることを提案する。

第拾四話 ゼーレ、魂の座

人類補完委員会の招集を受けたゲンドウは、本部に使徒が侵入したことを否定する。ネルフ本部では、パイロットと機体との相互互換試験が行われていた。しかし突然、零号機からシンジへの精神汚染が発生し、零号機は暴走してしまう。まるで憎しみをぶつけるように、モニター室を殴る零号機。その目標はレイなのか、それとも…。

第拾伍話 嘘と沈黙

かつての恋人加持に対し、ミサトは今も複雑な感情を抱いていた。父への思いと恋人の想いを整理しきれずに悩むミサトを、加持は優しく受け止める。だがミサトは、加持がネルフに所属していながらネルフを内偵していることを知っていた。加持はミサトをセントラルドグマへと導く。そこでミサトが目にしたものは…。

第拾六話 死に至る病、そして

第12使徒レリエルは、内部にディラックの海と呼ばれる虚数空間を持っていた。油断していたシンジは、初号機ごと使徒の内部に取り込まれてしまう。ミサト達は外部から救出を模索する。一方、シンジは生死の境目を漂いながら、もう一人の自分との自問自答を繰り返していた。果たしてシンジは生還できるのか?

第拾七話 四人目の適格者

米国のネルフ第2支部はS2機関実験中のEVA四号機と共に消滅した。EVA参号機は日本のネルフ本部にて起動試験が行なわれる事となる。
マルドゥック機関により、新たに選ばれる専属パイロット…4thチルドレン。逡巡するミサト、何も知らないシンジ。そして“彼”は…。

第拾八話 命の選択を

米国からEVA参号機が日本に到着、ミサト達は起動試験のため松代に向かう。シンジ、レイ、ヒカリそしてトウジはそれぞれの思いを胸に前日を過ごす。試験開始直後、参号機は暴走し、使徒に寄生されている事が判明する。ゲンドウは参号機を第13使徒と認定、シンジたちに殲滅を命じるのだった。

第拾九話 男の戰い

ゲンドウの冷徹さに怒るシンジは、EVAを降りる決意を固める。第3新東京市を去ろうとするシンジ、その時襲来する第14使徒。それは圧倒的な力でネルフ本部を蹂躪し、迎撃する弐号機、零号機をも葬り去る。爆炎と悲鳴の中、シンジは一人の男と出会う。

第弐拾話 心のかたち 人のかたち

初号機とのシンクロ率が400パーセントに達したシンジは、戦闘後もEVAから降りることはなかった。彼の肉体はLCLと融合してしまったのだ。自己との対話を続ける“彼”は何を願うのか? EVAに取り込まれたシンジを救出をすべく、リツコ達によるサルベージ作戦が計画される。

第弐拾壱話 ネルフ、誕生

ゲンドウの独断先行を憂慮するゼーレは、冬月を誘拐し詰問する。軟禁状態の中、冬月の脳裏にすべての始まりとも言える1999年のユイやゲンドウとの出会い、そして、2000年のセカンドインパクト、さらにネルフ誕生等、
現在に至る出来事が走馬灯のように甦る。

第弐拾弐話 せめて、人間らしく

異常なまでのシンクロ率の低下を一番深刻に受け止めているのはアスカ自身だった。彼女の頭にフラッシュバックする幼き日の残酷なる記憶。
自分の存在意義を賭し、使徒迎撃に出撃するアスカ。
しかし、沈黙したままの弐号機に、そのプライドは完全に打ち砕かれる。

第弐拾参話 涙

新たなる使徒の迎撃に出撃したレイは、肉体と精神を侵食されてしまう。
その救出のため、ゲンドウは委員会の凍結命令を破り、初号機を起動させた。しかし、シンジもまた使徒によって侵食されそうになった。その時、レイは自分自身の意志によって、ある決断をする。

第弐拾四話 最後のシ者

5thチルドレンとしてやってきた少年、渚カヲル。彼は、シンジに対し好意を示す。戸惑いながらもシンジは彼を唯一語り合える存在として意識する。
しかし、カヲルはゼーレによって遣わされた存在であった。シンジは過酷な選択を迫られる。

第弐拾伍話 終わる世界

信じる者に裏切られ、全てを失ったシンジは、己の心の深淵を覗き込む。彼は、その深き闇の中で、自らの存在理由を自問する。果たして彼の心の舞台に現れしものは何か?全てを拒絶し、自己の存在すら危うい少年に、救いの手はあるのか?
現実が、世界が、心の闇の中で急速に閉じてゆく…。

最終話 世界の中心でアイを叫んだけもの

欠けたヒトの心を埋める。それが人類補完計画の真実なのか?シンジは自己の内宇宙を漂い、己の不安と向き合う。全ての世界は一人の少年の心が産み出した幻影なのか?自己の安息を願う少年は、可能性の世界の存在を知る。心の旅の果てにシンジが見たモノとは?

※以上の内容はTVシリーズによるものです。